【資格生ブログ】ピラティス×心臓リハビリテーション

こんにちは、MISAKIです!私は理学療法士として病院に勤務しており、現在は心臓リハビリテーションに携わっています。
今回は、ピラティスと心臓リハビリテーションについて考えていきます。

最初に、心臓リハビリテーションとは虚血性心疾患や心不全等の心血管疾患患者を対象に、機能回復だけでなく、早期より日常生活の復帰・社会復帰・再発予防を目的として行われるリハビリテーションです。多くの専門職が関わって、各患者様に応じた運動療法・生活指導・服薬指導・栄養指導を行う包括的なリハビリプログラムです。

私が特に関わる運動療法では、主に有酸素運動(ウォーキングやエルゴメーターなど)やレジスタンストレーニングが中心となります。しかし、膝関節痛や腰痛などの不調があると思うように体が動かず、心臓リハビリとしての効果は上がりにくくなります。痛みや身体の不調はリハビリの継続率低下の要因の一つとも考えられます。心臓リハビリは二次予防が大切であり継続してこそ効果があるといわれています。そのため継続できる身体作りが重要だといえます。患者の病態によっても様々ですが、病態が安定しており、リスク管理の下であれば維持期にピラティスの導入は効果的であると考えます。理由は3点あります。

1.ピラティスが有効である理由①:呼吸

ピラティスは呼吸を重視している点があります。
ピラティスでは、呼吸とムーブメントを連動させ余分な力が入らないようにし効果を上げます。正しい呼吸は、心肺系(心臓と肺)を強くし、循環器系(心臓と血管)の機能を高め、疲れにくい身体を作ります。さらに呼吸は細胞の活性化・内臓機能の改善・自律神経の安定とともに、身体への再教育に欠かせない根本的な要素であるといえます。
ピラティスは原則的に胸式呼吸の分類であり、腹部・胸部を協調させ、呼気を強調したピラティス呼吸で行っていきます。呼気時に腹圧を高めコントロールしながら体幹の安定を図ります。この胸式呼吸は適度な緊張感を身体に与え、程よく交感神経を活性化させつつ、副交感神経のもつリラックス・回復モードとのバランスを整えます。呼吸を止めない呼吸様式のため、循環器疾患においてもその効果が期待できると考えます。

2.ピラティス有効な理由②:コアの安定
ピラティスは常にコアを意識し、腹腔内圧を高めて、体幹の安定を保ちます。 インナーマッスルが鍛えられ、内臓を本来あるべき位置に戻すことで、血流がよくなって基礎代謝が上がるので健康的な体作りが目指せます。さらに、背骨や骨盤周辺の安定のため、姿勢がよくなり、腰痛や関節痛の緩和にもつながります。退院後も心臓リハビリが継続できる身体づくりにピラティスも選択肢の一つとして良いのではないでしょうか。

3.ピラティスが有効な理由③:2Wayストレッチ
ピラティスの特徴である2Wayストレッチはどの体勢でも常に引っ張り合う方向を意識して体を使うことで、全身の筋肉の繋がりを出していきます。これが筋肉の運動において、筋肉を伸ばしながら使う伸帳性収縮(エキセントリック)にあたります。このエキセントリックの方が短縮性収縮(コンセントリック)に比べて血管への負担が少ないと言われています。同じ仕事量の運動を比べると、エキセントリックの方が酸素の消費量が少ないため、心拍数も低く、乳酸の蓄積量も少なくて済みます。ピラティスのエクササイズは、コンセントリックもありますがメインとなるのはエキセントリックであり血管に負担を掛けにくいと言えます。

 

4.最後に
ピラティスは、低負荷から高負荷までのムーブメントがあり、負荷を柔軟に調整することができます。マットさえあれば、特別な器具は必要なく、導入しやすいエクササイズの一つです。循環器疾患患者へのピラティス介入の報告はまだ少ないですが、リスク管理を行えば二次予防のエクササイズの1つとして有効であると考えています。持病や障害があり、運動に抵抗がある方でもピラティスに興味がある方は始めてみてはいかがでしょうか(o˘◡˘o)

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プロフィール
資格生:Misaki
資格:理学療法士 BESJピラティスマットインストラター
活動拠点:
PR:
この度、Arteのトレーナーとして働かせて頂くことになりました。
平日昼のレッスンを担当します。
理学療法士としての経験を生かしたピラティスを提供し、お客様のお悩みが改善できるよう、サポートしていきたいです。

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